南先生

            

 

彼女がその日学校であった面白い話をし始めると

ついつい話にひきこまれてしまう。

 

 

彼女のいちばん好きな教科は国語、2番目は社会である。

国語の先生は落語家のような南先生(仮名)。

南先生について話すときの楽しそうな顔!

 

 

この南先生、ほんとうに摩可不思議な魅力をもっている。半世紀近くを生きてきて、私もこんな不思議な雰囲気の先生と出会ったのは初めてだ。

南先生に出会えたことが彼女はうれしくてたまらないらしい。

 

 

南先生の授業の何が桜子(仮名)をこんなにも惹き付けているのかは、またの機会に書きたいと思う。

 

f:id:srkmkasn:20171127235812j:plain

         (学校へむかう道中 桜子撮る)

 

 

「南先生が転勤しちゃったら、学校に行く楽しみが半減しちゃうなぁー」と桜子は言う。

 

授業中、南先生の一言一句を聴きのがすまいと、一番前の席で先生を見つめる娘の姿が目に浮かぶ。 

 

その強いまなざしが眩しすぎるのか、

「最近ね 国語のとき、南先生がわたしを真正面から見ないで すこし斜めを向いちゃってね。目が合わないのよ」

と笑いながら言っていた。

 

授業を一生懸命受けてくれるのは結構だが、見つめられすぎて、先生 顔に穴があきそうなんじゃない?

 

南先生なんだかすみません!

 うちの娘はほんとうに変わり者なんです(涙)

 

 

ありがたいことに、この前の期末テストで100点をとったときも、

💯の下に、にこちゃんマーク☺が書いてあり、にこちゃんマークの下に「おっ」と書いてあったそうだ。

 

本人は100点をとったことよりも南先生直筆のにこちゃんマークとその一言がうれしくてうれしくてたまらない様子だった。

 

これからもテストのたびにがんばるんだろう。南先生の反応が見たくて……。 

 

ほんとうに変わった子だ。

でも私の娘だから、きっとそうなのだろう。

仕方がない。

 

ぜんぜん今どきの女の子じゃないこの娘。スカートの丈をなぜあんなにも短くするのかがわからない…っというか、みんなと同じように流行りのものを着たり、スカート丈を短くすることがかっこいいことなのか???と、本気で思っているようだ。

 

 

でもでもこの娘ってば、きっと素敵な大人になるだろうな。

(顔はすっごい美人でもないけれど)

素敵な人にたくさん出会って、

素敵じゃない人にもたくさん出会って、

彼女はきっと素敵な女性になる。

 

そんな気がする。