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南先生
彼女がその日学校であった面白い話をし始めると
ついつい話にひきこまれてしまう。
彼女のいちばん好きな教科は国語、2番目は社会である。
国語の先生は落語家のような南先生(仮名)。
南先生について話すときの楽しそうな顔!
この南先生、ほんとうに摩可不思議な魅力をもっている。半世紀近くを生きてきて、私もこんな不思議な雰囲気の先生と出会ったのは初めてだ。
南先生に出会えたことが彼女はうれしくてたまらないらしい。
南先生の授業の何が桜子(仮名)をこんなにも惹き付けているのかは、またの機会に書きたいと思う。
(学校へむかう道中 桜子撮る)
「南先生が転勤しちゃったら、学校に行く楽しみが半減しちゃうなぁー」と桜子は言う。
授業中、南先生の一言一句を聴きのがすまいと、一番前の席で先生を見つめる娘の姿が目に浮かぶ。
その強いまなざしが眩しすぎるのか、
「最近ね 国語のとき、南先生がわたしを真正面から見ないで すこし斜めを向いちゃってね。目が合わないのよ」
と笑いながら言っていた。
授業を一生懸命受けてくれるのは結構だが、見つめられすぎて、先生 顔に穴があきそうなんじゃない?
南先生なんだかすみません!
うちの娘はほんとうに変わり者なんです(涙)
ありがたいことに、この前の期末テストで100点をとったときも、
💯の下に、にこちゃんマーク☺が書いてあり、にこちゃんマークの下に「おっ」と書いてあったそうだ。
本人は100点をとったことよりも南先生直筆のにこちゃんマークとその一言がうれしくてうれしくてたまらない様子だった。
これからもテストのたびにがんばるんだろう。南先生の反応が見たくて……。
ほんとうに変わった子だ。
でも私の娘だから、きっとそうなのだろう。
仕方がない。
ぜんぜん今どきの女の子じゃないこの娘。スカートの丈をなぜあんなにも短くするのかがわからない…っというか、みんなと同じように流行りのものを着たり、スカート丈を短くすることがかっこいいことなのか???と、本気で思っているようだ。
でもでもこの娘ってば、きっと素敵な大人になるだろうな。
(顔はすっごい美人でもないけれど)
素敵な人にたくさん出会って、
素敵じゃない人にもたくさん出会って、
彼女はきっと素敵な女性になる。
そんな気がする。